こんにちは、美容師・つまみ細工で創作活動をしております、土山初代と申します。
私はバセドウ病でありながら、好きな事を仕事にしています。好きな事を仕事にする理由は “一切のストレスを無くすため” です。
仕事をしているわけなので、ストレスゼロというわけにはいきません。だけど、”自分にとって一番苦痛な事” からは、少なからず離れるべきかなと思っています。
私の場合は、その ”苦痛な事” から離れ、『自分の一番得意な事+好きな事』 をベースにした事で、少しずつバセドウ病の症状が緩和していきました。
もちろん、環境を変えるだけではバセドウ病は治らないと思います。環境を変え、計画的に少しずつ改善させることが大切と思います。
今回、私がどのような生活をしながら、どのようにバセドウ病を改善していったかのお話になります。
ちなみに、今の私は治療薬を飲んでいません。2021年12月から薬をやめました。2022年4月時点では週に2回、90分のウォーキングができるようになるまでになりました。
今やっているのは、体力作りです。40代でもあり、バセドウ病が完全に治ったとはとてもいいがたいからです。
バセドウ病の私が美容師に復帰した時の事
会社員をやめて、バセドウ病をどのように改善させながら、どのように仕事をしていけばいいのかわかりませんでした。
初めは、そもそも美容師ができるかわからなかったので、派遣で美容師として働いてみようと思いました。派遣なら、やっぱりできないと思った時に契約期間さえ終了すれば辞められると思ったからです。
とりあえず少しだけ働いてみて、「結構やれた」と思えば病気を治しながらゆるく続けていこうと考えていました。
詳しくは、バセドウ病④で書かせていただきましたので、ここからはheelOOIというサロンに所属してからの内容になります。
heelOOIに入社して、実際に働くことになりましたが、派遣美容師との大きな違いは「自分のお客様としてしっかりと顧客になっていただくための技術・接客をする事」です。
派遣美容師の時は、所属したサロンの社員ではないし2か月間の短期の緊急スタッフみたいなものなので、基本的にはお客様に名刺をお渡しすることもできません。
名前を名乗ることも基本的には禁止です。だから、絶妙な距離感の中やるという感じでした。
サロンにきちんと所属するとなると、やっぱり私の気持ちとしても、「お客様としっかりと向き合いたい」という気持ちも、やっぱり強くなります。
お客様としっかりと向き合うということになると、バセドウ病の症状が悪化した場合どうすればいいのか?なども課題にまります。
もし、朝から体が動かないとなったとしても、他のスタッフも予約が入っていると、もう絶対に行かなければなりません。
だから本当に不安でした。
しかし幸いなことに、heelOOIの代表の方がバセドウ病の症状に詳しい方でした。
お客様や知り合いの方にバセドウ病の方がいらっしゃるようで、その方々にお話を聞いてくださっていました。
その結果、私にとって働きやすい環境を整えていただきました。本当に助かりました。
「ここまで、バセドウ病の事を知っているのって、バセドウ病の人・家族にバセドウ病の人がいるかお医者さんくらいかなと思うくらい、バセドウ病の事を知っていました。
何度も言いますが、本当に助かりました。
自分の身体に合った働き方を色々試してみた
初めは、週に5日勤務で働いていました。お店の時間に合わせてフルに働くとなると、間違いなく体が持たないので、予約が入った時間に合わせて出退勤をするという感じでした。
サロンの開店は10時から、閉店は20時までです。私の場合は、例えば12時からお客様の予約が入っていたら12時前に出勤して閉店までいる。
10時からの予約であれば10時前に出勤して、18時くらいには買えるという感じで、予約に合わせて働くという感じで設定してみました。
会社員の時は8時間労働だったし、派遣美容師の時も8時間労働だったので、お店の時間に合わせるというよりは、「8時間なら動けるかな?」という感じでした。
派遣美容師の時はやれたのに、サロンで働くとなるとめちゃくちゃ疲れがでてしまって、長く続けられる自信がありませんでした。
その問題を自分なりに分析してみた時に、「自分の顧客にしていく」ということに対する不安、出勤時間の長さがありました。
5年も美容師を離れていたので自分がどんな接客をしていたかなど、頭では分かっていましたが緊張していました。以前のように、”自然に出てこない” という感じでした。
しかし、この問題は慣れていくしかないと思っていたので、考え込んだり変なストレスはありませんでした。
それよりも、出退勤に時間がかかるというのが、体力を奪っていることに気が付きました。片道ドアツードアで約1時間半かかっていました。
行き返り合わせると3時間でした。8時間働いてプラス3時間ということは、11時間は最低でも休まる時がありません。
バセドウ病の私にとっては、5日間11時間も休まらない時間があるというのは、絶望的でした。元気だったら何も思わないのですが、正直ちょっときつかったです。
それと、週に5日間の連続勤務が、とても体に負担がかかっていると思いました。
2日働いて3・4日目にはもうめちゃくちゃ身体の重さが出てしまって、バセドウ病症状が悪化するのではないかという不安がありました。
それと、「今日は12時にきます」とか「今日は早く帰ります」とか、そういうのをスタッフに伝えるのも何となく迷惑をかけているんじゃないかと、気を使ってしまいます。
別に、嫌な顔されるとか感じたことは全くないけど、勝手に気を使って勝手にストレスになってしまってました。
美容師に復帰してからの問題点
- 5年も美容師を離れていたのでそれに対する緊張感(問題解決は慣れるしかない)
- 週に5日間の連続出勤
- 出勤の不安定さ(予約によって朝早かったり夜遅くなったり)
- 出退勤の時間が長い(約1時間半)
- 忙しかった次の日がクタクタな状態で出勤
この5つが、初めにぶつかった壁でした。
2020年の10月入社でした。10月・11月は、週に5日出勤で予約に合わせて出退勤をするというやり方でやっていました。
だけど体調に対する限界を感じたので、「このまま働いてしまうと症状が悪化する」と思ったので、3か月目の12月からは働き方を改める事にしました。
働き方の改善ポイントは、働く時はしっかり働いて休む火を多くしてしっかり休む、というやり方です。
問題解決を考えた働き方
- 週に4日の出勤に変えた
- 水・木・土・日と曜日を固定した
- 出勤する曜日はフルで働くことにした
- 予約が夜はいらなかった場合は早く帰る
- 予約の人数を重ねない
週に4日の出勤にして2日働いたら、次の日は休みという感じで働く事にしました。
月・火は連休、水・木は出勤、金曜は休み、土・日・は出勤、という感じです。出勤の日は、基本的にはフルで働く事にしました。
しかし、美容室は月によっても忙しさが変動するし、その日の時間帯によっても忙しさが変動します。
だから、「今日は全然予約が入らないね」というようなときが、時々あります。そう言った日の夕方までに、予約が入らなかった場合は早めに上がらせてもらう事にしました。
それと、私の場合は予約を重ねないようにしています。バセドウ病は、休む暇なくバタバタ動く時間が長くなると、心拍数が上がって動悸・不整脈・頻脈の原因になってしまいます。
だから、1対1で対応できる状態にしました。美容室によっては、2人とか予約を取ってカラーの放置時間にもう一人のお客様を対応して、というふうにやったりします。
私の場合は、それをやってしまうとバセドウ病の症状が出て悪化するから、カラーの放置時間やパーマの放置時間に一息つける環境を作りました。
間で10分・15分休憩できるだけでも、体の疲れ具合が変わってきます。
後は出勤日数を変えたことです。出勤日数を減らしても曜日を決めることでお客様に認知してもらいやすいという、自分なりに工夫したポイントです。
このような感じで、出勤する日は開店の10時~閉店の20時までしっかりと2日間働き、しっかりと休みというふうにメリハリをつけることで、自分の身体のリズムも取りやすいと思いました。
お客様へご迷惑をおかけする部分もあると思いますが、曜日を固定して「この曜日は必ずいますよ」
というふうにしておいた方が、伝える側としても迷いなくしっかりと伝えられるし、受け取る側も覚えやすいと考えました。
美容師として実際に週4日働くようになって変化した事
週に5日働いていた時に比べ、断然体が楽になりました。
「これなら何とかやっていけるかも!」
というところまで来ました。
もちろん、水・木日はフルで働くので木曜日の夜は、信じられないほどクタクタです。土・日は特に1日中忙しいので、さらに信じられないほどクタクタです。
だけど、2日働いて休みを言う周期なので、どんなに疲れていても「あと1日頑張れば大丈夫」と思えば、力が出るというか何とか頑張る事ができました。
もちろん、本当に限界な時もあります。そんな時は、相談して早く帰ることもありました。
しかし、ここで一つ気が付いた事がありました。
それは、“美容師は身体を使う仕事だから、体そのものがクタクタに疲れる” ということです。
一見よくない事のように思える内容ですが、実はこの体が疲れるというのが”功を奏する”感じでした。
どういうことかというと、会社員のころはデスクワークが多く座っていることが多かったけど、バセドウ病の症状のせいでクタクタに疲れていたので、全く眠れないという悪循環がありました。
しかし、美容師は身体を使う仕事なので、“体そのものがクタクタになる” のでよく眠れるという良いことがありました。
もちろん、バセドウ病の症状である動悸・不整脈・頻脈や手のしびれ・手の震えもありましたし、疲れすぎると頭痛・発汗・軟便などの症状が出てきました。
でも、体が疲れているので夜眠れるというのは、大きなメリットでした。
週に4日勤務でよかったと思えたこと
- バセドウ病の症状が多少出ていても2日で休みと思えると何とか頑張れた
- 休みの日は何も考えずゆっくりできる
- 働く・休むのメリハリで体のリズムが作りやすかった
- しっかりと身体を使って働くのでよく眠れる
- お客様に伝えやすい
- スタッフにも伝えやすい
週に4日の勤務に変えて、フルで働くようになりましたが、メリットの方が多く実際に働いた感じも、しっくりきました。
今の自分にとってベストな働き方が見つかった!!
働き始めて3か月後には、自分に合った働き方が見つかりました。バセドー病の症状が出ないとかではありませんが、「これなら頑張れる!!」という働き方を見つける事ができました。
先ずは、第一関門突破という感じでした。
それもこれも、heelOOIのスタッフの協力あってこそだと思っています。
もし、バセドー病のことを全く知らない方ばかりであれば、私にとってのベストは見つからなかった可能性もあります。
もし、バセドー病の方で周囲の方に相談できていない方がいらっしゃれば、是非皆様に相談し協力していただくのが、一番だと思います。
自分にとってストレスになっている事、これなら大丈夫と思えることなどを、自分の中ではっきりさせるのも大切なポイントになるのと思います。
バセドー病の方全てが、私と同じ方法で楽になれるとは思っていません。しかし、少しでも楽になったり参考になる部分があればうれしいなと思います。